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おたく的なことをちまちまと綴るブログです。
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地平線に黄金の矢を放つアフリカの太陽は、荘厳な光に満ちています。それが私には、不毛の日々を生
きざるを得なかった人間の心をいつくしみ、明日を約束する、沈まぬ太陽に思えるのです。







見てきますた。
親父が山崎豊子の大ファンで馴染み深い作家だった所為か、普段邦画を見ないかーちゃんが珍しく見たい!って言ったのでお付き合いしてきました。
率直に感想を言うと「やっぱり尺が足りない」って感じでした。
面白かったんですが、端折りまくっててちょっと消化不良でした。まあ、スト運動を起こすようになった切欠だとか恩地さんが日本に帰って来れるようになった契機だとかは想像するに難くないんで端折っても仕方ないかなとは思ったんですが、ラストのまとめ方がとにかくかなり大雑把。ぶった切られた感があって満足感はあんまりありませんでした。
せめてラストの「地平線に黄金の矢を放つアフリカの太陽は、荘厳な光に満ちています。それが私には、不毛の日々を生きざるを得なかった人間の心をいつくしみ、明日を約束する、沈まぬ太陽に思えるのです。」の台詞の心境に恩地が至るまでの道筋をしっかり書いて欲しかったかなあと思います。ここも想像出来なくはないし当人の立場になって考えれば分かりそうなもんですけど、物語としての説得力は非常に弱いなと感じました。あと色んな人間を出しすぎて収集がつかなくなりましたね。良い小説には名脇役がいっぱいいるものですけど、とりあえず時間の問題で追い切れてなかった。総理が急に意見を翻したのもまあ分かるっちゃ分かるけど説明不足ではなかろうか。小説で説明不足は表現技法になりうるけど、映画で説明不足はラストにしかやっちゃいけないだろうと思う。途中考える時間とかないからモヤモヤするわ。とにかく「尺が足りない」って感想でした。


と、作り方にケチをつけるのはそこまでにして。
この映画を見た後、就寝前に考えまいとしても登場人物一人ひとりが思い出されて苦しくなりました。
特に事故の被害者の遺族のことを思い出して、中々寝付けなかった。
更に今朝もご飯食べながら思い出して苦しくなった。
創作物にリアリティは要らない(必要最低限の土台はあるべきだけれど)って考えてる人間なんですが、ここまで生身の声を聞かされてしまうと否が応にも飲み込まれてしまいますね。作品自体は原作と比べてしまうと良い出来ではなかったと思うんですが、ここまで長時間引き摺る作品は久々でした。うん。面白かったです。
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