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おたく的なことをちまちまと綴るブログです。
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この間の悪さをどうにかしたいです椅子です。
私が空いてる日って何故か皆空いてないんですよね……!四件連続で約束が保留になっちゃったのでめげてます。ウッすみません 明日メール返します

VP咎なんですが、遂に三通りEDを見てセラフィックゲートに突入しました。
今まで引き継ぎでチートプレイを存分に楽しんでいたので丸裸で放り出された時はちょっとポカンとしてしまった。笑
セラフィックゲートはやっぱり制作陣遊びすぎで面白いです^^ラングレイとアホーン家可愛すぎて吹いた。
ウィルフレド(主人公だし)・クリストフ(セラフィックゲートで惚れた)・エーリス(予防接種萌)・バルマー(魔昌石うめえ&萌)を主力メンバーに据えて攻略してるんですが、そろそろ魔術師が欲しい頃合になって来ました。
イセリアクイーンを倒したらどうやら一周目終わりのようなので、引き続き二周目頑張りたいです。
なんだかんだで凄い面白いのでお勧めです、VP咎。主人公のイカれた髪型にもその内慣れるだろうよ。笑

以下第16回乱歩賞受賞作の「殺意の演奏」の感想メモです。
犯人とかの話じゃないですけどネタバレあるので、これから読んでみようと思ってる方は見ない方が良いかも。


satui.jpg










一編の詩に対する解釈は人各々或は見を異にすべく、要は只類似の心情を喚起するにありとす。


と、上田敏訳詩集『海潮音』の序文の一文を選って始まる小説なんですが。
まず作品の冒頭で、「作者の独白(モノローグ)」として“象徴詩風の鑑賞法に堪えられる小説は書けないものか”と議題を提示して来ます。具体的には“一編の物語に対する解釈が、読者の好みに従って、少くとも二通りに分かれる。しかし、どちらのケースを採っても、作者が訴えたいテーマは読者に伝わる。つまり、類似の心状を喚起する”ような小説のことです。
まあそんな小説ごまんとあるでしょうが、こと「推理小説」に限って言えばこの議題には無理が生じて来ます。
何故なら推理小説は一つの真実を求めて一つの結末に向かって進んで行くものだから。しかも推理小説の場合、読者の好みによって解釈を選るどころか、読者の好み・もしくは想像の範囲を超越した「意外性」を提示するところに醍醐味があります。そんな交わり難い性質を持った二つのものをいかに融合させるか、そこに心を砕いた実験的小説になっています。

内容について少し触れるならば、本書の構成は十年前に起こった一つの事件を二通り(或はその他数通り)の解釈で眺めて行くと言った構図になっています。その二つの交じり合わない解釈の糸を縒り合わせる「テーマ」として、「コンプレックス」の問題が取上げられている訳なんですが、このコンプレックスの描写が巧かったです。
コンプレックスと言うと何だか「劣等感」と言うイメージがありますが、実はコンプレックスと言う単語自体の意味は「複合体」「感情経験の記憶」と言うもので、正しくは「インフェリオリティー・コンプレックス」で劣等感、「シューペリオリティー・コンプレックス」で優越感となってます。勿論「象徴詩のような体裁にしたい」と作者自身がモノローグで語っているように、事件の解釈が二重三重に引っくり返される(並列して示される)トリッキーな構成も見物なんですが、同じく二転三転する登場人物の抱くコンプレックスに関しての描写がこの作品の一番の見どころなんじゃないかなと。

『これは私が創ったクイズである。あなたがたが首をひねっている間、少くとも私は優越感に浸れるのだ。』

これは本書に出てくる、シューペリオリティ・コンプレックスが高じた為に現実と理想のギャップに戸惑い続けインフェリオリティー・コンプレックスとの板ばさみに遭っていた男が、自ら作ったクイズ集の端書に書いていた文章です。
元来謎掛けと言う行為は、相手の困惑する顔を見て優越感を感じたいが為の行為だと私なんかは思っています。それならば推理小説の作者なんて言うのも、結局はその部類なんじゃないでしょうか。
この本に出てくる登場人物は、一人の例外もなく己の優秀さを信じるが為に歪んだコンプレックスを抱いています。十年前の事件に想いを馳せ、今となっては真相が分るはずもない事件について己の知的欲求を満たす為に推理合戦を行う。

この小説は「作者の独白(モノローグ)が聞える」と言う形で締め括られているのですが、ふと小説冒頭の「作者の独白」を読み返してみると、この独白自体が読者を嘲笑っているように思えて来ます。いや、ネガティブな意味じゃないですけど。笑
私がこの作品を読んでこの作品なんぞ?と“首をひねっていた間”、「作者」は“優越感に浸って”いることが出来たのでしょうか。

文章は冗長。構成も正直そんなに巧くない。
でも、読んでいる間には事件の推理合戦などに目を奪われて気付かないものの、最終的には私も作者も登場人物も、一体になって一つのテーマ「コンプレックス」の糸として縒り合わされていたことに気付く訳です。
うまい具合に作者のシューペリオリティ・コンプレックスの糧にされてしまって口惜しいので、私も「推理小説として破綻しているクソ小説(笑)」とか罵って自己のプライドを保っておくことにしたいと思います。
いや、多分それがこの本を読んだ後に取るべき正しい行動なんだと思います。笑


二つ続けてガチガチの「推理小説」とは言い難い作品に当たってしまったので、次こそはガチを引き当てたいものです……!
手元に「仮面法廷」「暗黒告知」「アルキメデスは手を汚さない」があるのでこの中から読むか、若しくは昔漫画で読んだ覚えのある「モーツァルトは子守唄を歌わない」に手を出してみようかな。どれがガチかなあ。
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